まち日記(旅と仕事と日々ごはん_時々走り)

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雑記メモ 〜組立工はどうなる

OEM、ODM、EMSと数々の形で中国進出してきたITハードウェア業界。そして自動車部品コンポーネント供給会社も。やってることをじっと見るとただの組立て。つまり、製造施設を運営するほうには優劣の競争があるが、組立工には、正直言ってハイテクもローテクもないわけだ。国内空洞化、というときにこのところ最も気になるのは、ハイテクもローテクもない組立工は、これからどうなるんだろう、日本という国は彼らをどうするつもりなんだろう、ということ。組立工、って簡単に言うなよ、という話はあるかもしれない。私は理系人間ではないので、そのあたりは非常に粗い観察しかできないに決まっている。
天津の組立工場を見学した。自動車のコンポーネント組立工場だった。女工が組立て、男性がテスト。日本でやるより人件費はかなり安い。言葉の問題はあるにせよ、おそらくこのレベルの仕事なら、日本の田舎でやろうが中国でやろうが品質の大差は出ないだろうな、という実感。そりゃそうだ、ねじ締めてるだけだもん。
ぼんやりとした実感でいうなら、私の田舎にも一流企業の組立工場があって、そこには地元で工業高校を出たか、まぁ中退したか、というような連中が勤めている。その工場が中国に移転する。彼らの職はどうなるのか、ってのはやっぱり完全に自己責任なんだろうか。
天然資源の乏しい日本は、知財立国を目指さないといけないかもしれないし、ものづくりの優れた技術を伝承していかなくてはならないのかもしれないけども、そういうことに参画できる人というのは、極端に言うと、日本にいようが中国に行かされようが、成果を出すだろう。日本に最後まで残ることになる人たち、彼らが働いて、生きていけるような仕事をどう生んでいくのよ、っていうのが本当は問題なんじゃないかと思うんだが、それは私の勘違いなのかなぁ。別に善悪の問題ではなくて、組立工場で、自分が何の部品をどうしているのかもわからないままに手首を同じ確度に回すことで日々の糧を得るしか手立てがないような、またはそれに類するようなことをスーパーマーケットで、レストランで、工事現場で、行って生きていくしか手段のない人たちを、どうするのかって、なんか、放っておいていいんでしょうか。どうにも、わかりません。じゃぁ、日本人全員、大学に行け〜、っていえるほど小さな国じゃないし。サービス業にシフトさせる?綺麗な言葉で言うけど、地方都市で、工員なみのスキルでこなせるサービス業って、具体的には何だ。パチンコ屋なのか、モノ売りなのか、食い物屋なのか、うーん。私の考えていることって、かなり不景気な考え方か?