まち日記(旅と仕事と日々ごはん_時々走り)

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生々しい地方の状況

某地方に住んで、県の産業政策の立案支援をしている仲間が東京に来訪。地方はいろいろ悩みが深い由。
高い金を払って外部から呼んだとある政策執行のトップは、その分野はまるで音痴で、しかも汗をかいての努力をしない。地方のことを知ろうとしない。ただ外に向けての広告塔としてパネリストとしてあちこち出て行くのは得意。
東京からやってくるコンサルタントや先進企業は、地方を潤すはずのイベントを自分の関係会社に利益誘導し、新たな試みといわれる地方振興事業は地元の連中にきわめて不評で、事業の辻褄あわせに人だけ動員され、何も地元には還元がない。伝統工芸は中国のまがいものに淘汰され、製造業の空洞化どころか産業の空洞化が進む一方。
あぁ、厳しいなぁというのが生々しく伝わってくる。それでも政策を考えるほうの人たちは、東京のコンサルタントにいろいろ考えてもらうほうが立派なものができる、と思っているとか。これ、私たちとしては、まったくもって痛しかゆしだ。
地方を食い物にするつもりはないし、大事な金は効率的に、目的に合致した使い方をしてもらいたいと思うとき、本当は私らみたいな東京の会社に仕事させてちゃぁ間違いなく非効率だ。
地方から東京の会社に、モノをあれこれ頼むと、交通費だけで大半を食いつぶしちゃう、人件費だって高い。同じ金を使うのだったら、東京に戦略立案を丸投げるのではなくて、地元にもっと知を蓄積する仕組みづくりに金を使ったほうがいい。そのときそのときのコンサルタントの描く絵を買うのではなくて、自分が絵を描ける人が育たないと、結局いつまでも、人が描いた絵を買い続けることになる。
もちろん、これって、外資のコンサルファームの描く絵を買い続ける日本の超有名上場企業、という図と構造的には同じかもなぁと思うけど。