村上世彰のやったことはダメだったのか、ホリエモンはどうなのか、では、「ハゲタカ」はどうなのか。「ザ・コーポレーション」(映画しか見てない)で見せつけられた会社という仕組みの暴走はどうして起こっちゃうのか...。
最近つらつらとそんなことばかり考えていたが、この1冊で、かなり頭の中のもやもやが晴れる感じ。
数日前に、早稲田大21世紀COEの「アイゼンバーグ教授に聞く」とか、上村先生の幻のブルドッグソース裁判意見書を読んでいたが、上村先生の主張は、これらの書き物の中では少なくとも一貫しているように思う。専門的には書きたくないし書けないが、「本来の株主主権論とは、国の主権者である市民が株主だから株主主権と呼んでもいいという話であって、株さえ買えれば、事業法人でも新興のファンドでも、持ち合い法人でも、主権者になれるという話ではないのです」ということばに大きく納得、心が洗われる。
対談の中で、日本は規律、規範不在の経済社会の中、会社が自社の防衛(これもまぁ経営者の保身なのか企業価値なのかは一概には言えないことだけど)のために高い金を出して弁護士からライツプランを買っているのは嘆かわしい、みたいな言い方が何度か出てきて、なんとなく笑ってしまったというか、士業ってのはなんだか突き詰めるとなんだか鬱陶しくて少し胡散臭く、本当は後ろ暗いような部分(口を開くだけで金を要求する仕組みになっている弁護士会計士、薬を処方するために患者と3秒会っただけで報酬を得る仕組みになっている医者、それってありなのかい?)も少なくないよなぁ、という気分にぴたりはまってしまった。
- 作者: ジョエル・ベイカン,酒井泰介
- 出版社/メーカー: 早川書房
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- 作者: 上村達男,金児昭
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私はやっぱり、より、市民社会尊重のほうの人種に近いのだなと改めて思った次第。