まち日記(旅と仕事と日々ごはん_時々走り)

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韓国人の楽天的なとこが好きだ

午前中入札説明会に直行、職場の近所まで来て少し早めの昼食のためにロイホに行ったら、同年代とおぼしき奥様連中がお友達ランチのために何組も並んでいる。
なんか、あんまり楽しそうじゃないなぁこの人たち...などと思いながらもデミオムライスを食いながら資料を読んでこれから書かないといけない企画書の構成を考える。職場に戻ると、どうしても無駄話やら思いつきで声をかけてくる上司やらがうろついていて、集中力がほぼ10分の1くらいに落ちるからね。
午後、とある仕事の委託先に考えている取引先から来社。なんだかよくわからないが、提案型の協力体制ではなくて、下請型になりさがって楽をしたい、と言いに来たようで、これじゃ先日やってきた某下請の狸オヤジが、こっちに向かって「とにかくオーダー取ってくればこっちで捌いてやるから、注文持ってこい」とか、どっちが客だからわからないようなことをほざいて帰ったのとほとんど変わりがない。
まぁ、自分だって下請のほうが思考停止で受け身で楽ちんなのはよくわかっているので、気持はわからないでもないんだが、自分から踏み出して行くことの大変さを下請意識の君らはどれほどわかっているんだね、と言いたくもなる。

そうこうしているうちに、また外出。進行中の案件の一部を任せている韓国人がちょうど研修で来日しているので、進捗確認と顔合わせの食事。進捗は、理想型ではないが、韓国の人に任せたという枠組みの中では達成度の高い進み具合。まあ、いいか、ということで打ち合わせを終えて新宿の居酒屋でメシを食いつつだらだらとおしゃべり。
韓国、マクロで見ると、いろいろ問題は抱えているけど、やっぱり、あの楽天的というか挑戦好きというか、ベンチャースピリットを社会が許容する雰囲気が私はうらやましくもあり、好ましい。
技術のタコつぼに入り込んで技を究めることが賞賛される雰囲気は希薄で、歯医者であっても、30代のうちはまぁ歯を治療してていいけど、そのうち会社を興して一発当てる!という歯医者出身の社長が2社もKOSDAQ上場して成功モデルになっているとか。次の情報通信部の長官(大臣だなつまり)には誰が良いでしょう、というアンケートでは、圧倒的にアンラボのアンチョルスの人気が高くて、これはおそらくサムスンから大臣になって韓国の情報通信産業を引っ張った陳大済のリーダーシップのイメージが重なっているのだろうなぁ、なんて思うところ。
こんな話は、メディアで読むと、そんなものかなー、とは思うものの、実際に生で話を聞くとこれは実感がわくね。彼曰く、IMF危機はやはり韓国人の意識を変えるのに十分だったという。会社を解雇された若いエリート層が一念発起してベンチャー企業を立ち上げ、これを支援する仕組みを政府が作り(ここ、順序が大事ですから)、成長し、成功するベンチャー企業へ、学閥や同じ会社で働いた仲間が引っ張り込まれて行ってさらに拡大する、という好循環がいくつも生まれたという。
延々と企業内の出世レースでがんばるのではなく、ベンチャー企業は成長もはやく成功失敗の結果が出るのも早いので、とにかく3年頑張ってみよう、ダメなら次のことをしよう、という気持ちで突っ走る人も多かったんじゃないか、
と言う。
日本人のマインドから見れば、そんなお遊びみたいなもの、という感覚かもわからないが、ゲーム業界、ネット業界の旗手らはみんなそんな感覚でがんばって会社を大きくしてきたようだ。
私なんぞは、いや、韓国人、IMF以前から社長志向は強かったし、十分刹那的だったじゃん、という突っ込みもしたくなるところだが、時代を生きている彼にはそうは映らないのだろうね。なにしろ、生きていりゃなんとかなるよ、的な精神的タフさって、悪くないよね、と思う。
あ、そうそう、少子化の急速な進行で、医者の仕事も全然安泰じゃないんだってね、韓国は。日本も、そもそも地頭は平均的にはよいはずの、あまった医者が一念発起してベンチャーなどを立ち上げられるような雰囲気ができるといいもんだ、とふと思ったりもした。