クローズアップ現代 失速する中国経済、見たよ。 - finalventの日記
テレビを見る時間がない代わりに、実際に中国を回ってきて、行く先々で金融危機の影響について雑談してきた。というか、必ず、金融危機が話題にのぼった。
華南には、農村に戸籍を持ったまま加工工場で働く人が多く住んでいる。工場が相当数つぶれて、故郷に帰った出稼ぎの人の数は、1億人とも言われているそうだ。1億人...スケールが違う。
某大手国有製造業。トップマネジメントではないが、管理職の連中いわく、大幅の受注減で、もうすでに私たちの給料は下がった、国有企業だから簡単にリストラをすることは国から許されていない、だから給料が下がるのは当たり前、しかたがないこと。このスピード感と、当たり前に起きることを当たり前に受け止める様子。給料が下がった、という話は複数の企業で聞いた。でも、みな、普通の表情をしている。悲壮感はなく、世界的な経済の変調の中で、仕方がないと割り切っている。
経済成長は止まるのか？政府が4兆元の財政出動をしてでも8％前後の経済成長率を維持する意思を示した。今年から来年にかけての経済成長率は5％程度じゃないの、とかアジア開発銀行だったか世銀は言っているようだが、どちらに転ぶのか。
インフラ整備はまだまだ手をつける余地があるし、農村との経済格差もまだまだ深刻だ。省都を見ると、東京、大阪とは言わないまでも、日本の中規模地方都市と遜色のない程度に発展しているような大きな省（日本の都道府県に当たる）にも、貧困に手をつけなくてはならない地域は多く残っている。道路も通さなくてはならないし、水処理施設も必要。カネをつぎこまないといけないだろうと思われるところは多くある。
少なくとも輸出は失速することは確実だろうが、内需はまぁまぁ、まだ余地があるし、何より中国人、別に暗い顔もしていないし、経済、まぁぼちぼち、ちゃう？とか言っているあたりが、日本とは対照的な感じ。
