まち日記(旅と仕事と日々ごはん_時々走り)

ダイアリーから移行しました

横山秀夫『クライマーズ・ハイ』(文芸春秋)


リアル、私なりにリアルで息が詰まるほどだ。テレビ局で、緊迫する雰囲気の中、幾度となく聞いた共同通信のピーコを思い出す。メディアに関わるということは、全力疾走しながら情報を紡ぎ出し続けることだ。立ち止まってじっくり考えることなら、誰にでもある程度は、できる。デスクは、編集者は、ディレクターは、自信がなくても堂々と書き手をリードしていかなくてはアウトプットは望めないこと。現場を踏むことの重さ。メディアの独自性は結局、書き手の力を最大限に、有効に引き出すことによってしか生まれず、維持されないという現実。メディアビジネスは、人間の知と力にどこまでも依存し、左右されるものであって、インフラ、環境は付帯的なものでしかない。
ベストセラーをどう読むかは人によって千差万別に違いないけど、私の読み方は、こんなだったなぁ。おぉ息苦しい。