まち日記(旅と仕事と日々ごはん_時々走り)

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労働需要の二極化

昨日の日経新聞、経済教室「先進国で広がる所得格差-労働需要の二極化が主因」を読んだ。
どちらかというと、昨日ちょっとした話題があって、それが頭に残っていたので、この記事に目がとまったというほうが正しいかな。
仕事でお世話になった方の奥様の通夜。ふるまいの席で、その会社の人々と少しだけ雑談。9月にソウルに行くので、誰か適当な通訳を見つけたい、誰かいないか、という話。
私が普段付き合う通訳さんは、みんな1日8万〜10万円を請求する。それはそれでちょっと高すぎるよなぁとも思うけども、同時通訳とか、カンファレンスの通訳をやらずに、こっちの仕事に出てくるのだからある意味仕方がないところもある。それでも食っていくのは簡単ではないようだけど。その一方で、しばらく翻訳を教えていた専門学校の生徒のうち大部分は、通訳スキルなどをまともに身につけることもなく卒業していっていて、まぁ、彼女らに頼むなら、せいぜいやっぱり1日3万円ってとこかなぁ、と思う。おそらく専門用語の事前勉強なんてしないだろうし...。
思えば、自分自身も、翻訳のほうの能力はともかく、通訳のほうは、もし、場に引っ張り出されたとしたら、せいぜいとれる金額は、上の3万円と5〜6万円の間ってとこだ。それ以上はお恥ずかしくて請求できない。そして、そのレベルの通訳スキルしか持たない友人は私のまわりにごろごろと、いる。そして、みな、通訳の仕事が、ない。
あぁ、需要の二極化だなぁ、と思っていたから、上の記事に目がとまったのだけど、記事に言う、コンピュータが云々という要因とは違うな。単に、値ごろ感の問題ということと、供給過多ということと、アジア言語に対する日本人の評価が低いこと、あたりが絡まっていると思う。通訳に、創造性、直観、洞察力、抽象思考が必要かというと、供給側はそう言うかもしれないが、需要側はそうは思わない。言葉を置き換えてるだけじゃん、と。
でも、明らかに韓国語通訳の世界もまた二極化している。ユニクロと、ブランドショップの両方が込み合うようにね。