まち日記(旅と仕事と日々ごはん_時々走り)

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ゆでがえる家族

また無差別殺人のニュース。痛ましい。
犯人の精神状態は、おそらく正常なものではないのだが、ニュースなんかをみる限り、奇行のようなものは、周囲の目にもついていたみたい。

高校の頃、精神状態がおかしくなった同級生に、ストーカーまがいの行為を受けたことがある。そのとき不思議に思ったのは、病んでしまった本人はともかく、一緒に住んでいる家族が、どうして彼の奇行に対して何の手もうたないのかということ。明らかに普通の精神状態ではなかったのに、彼は学校に通わされ続け、そして最終的には私に危害を加えたことで、ようやく学校も、家族もあたふたし始めた。
彼の精神状態が徐々に壊れていくことを、家族は気がつかなかったのだろうか。それとも、そのことを認めたくなかったんだろうか。誰かに相談しなかったのだろうか。元気がなさそうにしたり、ぶつぶつとつぶやいていたりしても、まさか他人に危害を加えるほどのことをするまいと、信じていたのだろうか。それとも、彼は家では普通にふるまっていたのだろうか。または、逆に切れまくっていたんだろうか。まさか、別に誰かに危害を加えようとどうしようと、彼が彼でいてくれさえすればいい、と思っていたわけでもあるまいが。これではまるで、経営危機になっても身動きが取れないゆでがえる経営者と同じだ。
今となっては、彼と家族にどんな葛藤があったのかなかったのか、確認したくもないことだが、以前から奇行が目立っていた、とワイドショーなんかで言われている犯人の話を聞くと、家族ってのは、ややこしくも、重いもんだなと思う。

ちなみに付け加えておくと、家族に加え、奇行を続ける彼に対してなにも手をうたなかった教師に、私はいちばん失望し、軽蔑していた。いじめを放置して殺人や自殺が起きるまで見て見ぬふりをしていたというようなニュースを見ると、今も昔も変わらないんだな、と感じる。