まち日記(旅と仕事と日々ごはん_時々走り)

ダイアリーから移行しました

ある意味痛快なる指摘

先日仕事を依頼した韓国人が来日。ある偉い方の随行の用事だったが、それほど肩のこる方でもないようで、時間も余り気味だし、一緒にランチでも、ということになった。
確かに、話好きで親切な方だ。韓国ではメディアにも時々登場する人のようだが、日本に来ると一種韓国語で思い切り話のできる人との時間は喜ばしいのかもしれない。
いろんな話をした。現職、前職の話はあまりしなかった。日本論、韓国論、そういうのが好きな人が多くて、話題の始まりも、りそ夫の会社はソウル支店を閉めた、というような話をしたところ、銀行はどの国も再編統合が不可避だったよね、そうでないと強くなれないよね、という反応だったので、彼も、経済談義の好きな人と見た。
最近日本は韓国とは違って、IT産業に対する社会の関心がいまひとつ、政府の関心も、どちらかというとものづくりの強みを見直す、というところにある、というような話をしたところ、懐古趣味的だ、というニュアンス。結局いろいろやってみたけど、どれもあまりうまくいかなくて、もともと日本が強かったところへ戻って行っているのかな、でも、日本が製造業で成功したのは、大量生産が必要だった時代に、効率的大量生産モデルをうまく機能させたからであって、大量生産の時代でないときに、昔の強みをそのまま引っ張り出してきてもどうなんだろうね...という話。
まぁ、昔のモデルをそのまま復活させようという話ではないんだけど、いや、確かに、なんというか、やっぱり原点回帰だよねとか言って、昔取った杵柄に戻っちゃうというのは、他国から見てどうなんだ、という感じをかもし出しているわけだな。あまりに、この大量生産モデルで成功しすぎた日本は、次にどう舵を切ったらいいのか、少なくとも、世界での競争にさらされている大企業はともかく、下請けというかケイレツ企業は、方向性が見出せないのが現状ではないのか。
彼とて、韓国の携帯電話が商用化には成功していても、基幹技術はQualcommが抑えているようなこの状況では、韓国は本当に勝っているとはいえないよなぁ、という認識はあるようだし。それにしても、やっぱり、韓国人というのは根が率直でいいよね。彼は、偉い職位にあるといっても、まだ50代で若いし、明るいし、ものの言い方も率直で、もったいつけたところなどほとんどない。そういう人の目から見ると、日本のものづくり回帰は、懐古趣味と映るわけだ、少なくとも。あ〜あ。