まち日記(旅と仕事と日々ごはん_時々走り)

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瀋陽=奉天

というわけで微妙な都市での1日仕事終わり。午前は遼寧省政府、ヒルメシは瀋陽市政府の信息産業関係者との面談、インタビュー。地元の有望SW企業を紹介され、話しているうちに、特に前後の脈絡なく、「合弁などの話になると政府の人々が自ら出てきて、大いにやりましょう、などと言って盛り上げ、いつの間にか丸め込まれる」という話を思い出す。こうして直接話していると、日本人と変わらないくらいに誠実そうに見えるんだが、いや、人に対してというよりはビジネスに対してそこそこ誠実に見える、っていうそういう話だ。
これまで日中のIT関連企業連携があまりぱっとしなかったのは、企業側の責任ももちろんあるが、中国に乗り込んでいくには政府間の信頼関係というか縛りというかモニタリング機能がぜひとも必要で、この部分で日本側の政府なり自治体側に監視できるだけの能力と肝がなかったことが、企業までもしり込みさせていたのかもしれないなぁとぼんやり考えていた。政府の連中が盛り上がれば盛り上がるほど、クールに対応しないと、と思う自分は冷たいのか当然なのか。おそらくもちろん後者なんだろうな。副市長まで出てきたのには驚いた。評価されたのか、完全にいいカモだと思われたのか、そのあたりの判断と、リスクをどれだけ取るかの兼ね合いはきっちり考えておかないとだめだろうな。「外交問題」なんていう言葉が通用しない国を相手にしている以上。
だから、いざとなった時のはしごが外れないように政策動向をウォッチしておくのもカウンターパートとしての日本側政府の、民間企業のための仕事なんだなと改めて思う。中国政府側がむしろ、何か困ったことがあれば私たちが出て行って問題解決しますから、と何度も言ったが、このあたりをどう型にはめこんでいくか、って、実はものすごく難しいことなんじゃないだろうか。
紹介された企業はいずれも立派な企業で特徴的だったけれど、これら企業と信頼感を持って付き合うのが先か、政府を型にはめるのが先か、はたまた互いに隠しあった腹の中を見せないまま突進するのか。
…なんて、いずれにしても長い移動オフィス生活は明日で終わり。帰国します。疲れはそれほどでもないけれども、日本で滞っていたことを進めなくてはいけないのかと現実にひきもどされて若干ぐったり気味。精神的にね。

それはそうと、遼寧省の連中が連れて行ってくれたきのこのしゃぶしゃぶの店はよかったなぁ。昨日のコリアンタウンもよかったけど。