2007-05-06 神の火 甘辛読書感想文 高村薫『神の火(上・下)』 神の火〈上〉 (新潮文庫)作者: 高村薫出版社/メーカー: 新潮社発売日: 1995/03/29メディア: 文庫購入: 2人 クリック: 46回この商品を含むブログ (47件) を見る神の火〈下〉 (新潮文庫)作者: 高村薫出版社/メーカー: 新潮社発売日: 1995/03/29メディア: 文庫購入: 1人 クリック: 11回この商品を含むブログ (35件) を見る連休中に読んだ。このところ原発関係のリサーチの仕事をしているので、いろいろつまされながら読んだ。私は高村フリークで、読み始めるとまじ止まらないので、連休というのは絶妙のタイミングだった。原発政策って、戦争をするのかしないのか、という政策決定に、その悲惨さの構造がどことなく似ているなぁ、などと思う。戦争だって、原発だって、次善の策といえば次善の策、でも、原発、または再処理工場で事故が起きたときに命を落とすのは、政策を決めた者から最も遠い人たち、という意味で、戦場で命を落とすのは、いつも政策立案者ではなく、政策立案者から最も遠く、敵に最も近い、兵士だ、という事実を想起させるものがある。