まち日記(旅と仕事と日々ごはん_時々走り)

ダイアリーから移行しました

生竹中平蔵先生

夕方からインドセミナーへ。
竹中平蔵先生がゲストスピーカーで来ておられた。生竹中を見たのは初めて。あの童顔で、昨日までドバイの会議に行っていたと、にこにこと語られる。インドに対しても、客観的にはそれほどの縁がないのに、その場にふさわしい程度に、過不足なく予習されていて、聴衆が、ふーん、というようなエピソードをいくつもちりばめた、ピリッとしたスピーチをされていた。有能で、あちこちから引きのある人間というのは、こういう風に話すのだな、という好例だと思った。こんな風に話す人が登場するような場所に、自分を時々は置きたいものだと思うし、自分も徐々にそんな話し方ができるようになりたい。私なりに感じた、好感度の高いポイントは以下。

なんにせよ、ネガティブなことは言わない。
はきはき、にこにこと話す。
普通とは少し異なった視点、自分なりの視点で、与えられたテーマに取り組んで自分の持ち味を出す。
たとえば経済学者としての立場から、地域研究者はいてもインドの経済を専門に研究する日本人研究者はまだいない、これからはもっといてもいい、という話をされていた。うまいよなーと思う。
具体的な数値を駆使して、対象のポジティブなところを引き出してほめる。
たぶん、これはヨイショだよな、と思わせることでも臆面もなく言い放つ。
場をわきまえているので、こういうヨイショは、コミットメントだとは思われないところが絶妙。

誰か、何かを貶めたり、あるいは自分がいかに自己満足的に苦労しているかを訴えたりしても、その人の存在価値はアピールできない。たとえば中国を貶めて話すことだってできたはずだが、そんなことを一流の人は、しない。竹中先生が一流なのかどうかはわからないが、少なくとも、こうした聴衆の前でのプレゼンテーションでは一流なんだろうなぁと、感じるものがあった。